利用者数の多い空港ランキング
日本には全部で101個の空港がありますが、どれも海外の空港に比べると面積が狭く、いわゆる中規模空港です。空港は拠点空港や地方管理空港など4種類に分けられており、それぞれ規制や特徴があります。
順位 | 空港名 | 国内線・国際線合計乗降客数 |
---|---|---|
1 | 羽田空港 | 80,121,680 |
2 | 成田国際空港 | 36,578,845 |
3 | 関西国際空港 | 25,128,787 |
4 | 福岡空港 | 21,994,977 |
5 | 新千歳空港 | 21,311,918 |
6 | 那覇空港 | 19,671,846 |
7 | 大阪国際空港(伊丹) | 14,923,678 |
8 | 中部国際空港 | 10,842,736 |
(平成28年統計)
日本の空港の特徴とは?
まずは旅客数8位の中部国際空港ですが、国内線と国際線どちらも同じ割合で運行しており、一番運行が多い路線は新千歳空港行きの国内線です。次に旅客数7位の大阪空港ですが、近隣に関西空港があることもあり国内線しか取り扱っていません。6位の那覇空港はターミナル3か所のうち、ひとつはLCC専用ターミナルとなっているため、格安旅行のシェアが拡がっていることが分かります。
5位の新千歳空港は日本で初めて24時間運用を実現した空港です。しかし、騒音の問題があり深夜便は限られていました。ですが、需要の高まりもあり、2015年にその枠は大きく拡大されました。4位の福岡空港は他の空港とは異なり、ターミナルが航空会社ごとではなく行き先ごとに分かれているのが大きな特徴です。
このように、空港ごとに特徴が異なっておりその特徴が旅客数にも影響を与えているのが良くわかります。上位3空港についてはさらに詳しく見ていきます。
国内最大の「羽田空港」
羽田空港は旅客数が1位の空港ですが、世界的に見ても旅客数は多く世界ランクでは4位に入っています。旅客数が多いだけあって着陸数や貨物取扱量も多く、まさに国内最大の空港です。
羽田空港は3つのターミナルに分かれており、第1ターミナルはJALが、第2ターミナルはANAがメインに使用し、第3ターミナルは国際線ターミナルとして使用しています。しかし何といっても羽田空港の最大の特徴は「ハブ空港」であることでしょう。元々羽田空港は国内線をメインとした空港でしたが、都心から成田空港までのアクセスの悪さや離着陸の時間制限、施設利用料の高さなどもあり国際線の発着枠が拡大されました。混雑する時間帯は発着枠が限定されているため使用に制限はありますが、早朝や深夜などは航空会社が希望すれば使用することができます。しかし、時間帯を考慮して飛行ルートを変更せねばならないため、枠が制限されているのが現状です。
このように羽田空港は国内線だけでなく、国際線の発着も増やすことによって国内最大の空港となりましたが、それに伴って騒音という大きな問題も抱えています。
国際線がメインの「成田空港」
成田空港には第1ターミナルから第3ターミナルまであり、それぞれ棟が異なっているのが特徴です。しかし、開港以来、これといって拡張工事も進まず、騒音問題対策として23時から6時の深夜から早朝にかけて離着陸を禁止しており、また都心からアクセスが悪いということもあり旅客数は羽田空港に次いで2位となっています。羽田空港に対抗する手立てとして、23時から24時の例外離着陸の容認や京成成田空港線の開業などを行っています。
日本初の24時間空港「関西空港」
関西空港は人工島に作られた、いわゆる海上空港で日本初となる24時間化を導入した空港です。海上に作られているため騒音の影響が少ないということで24時間化の運用を可能にしています。24時間利用できるのはターミナルだけではなく、空港内の一部店舗も利用できるため深夜や早朝に到着しても買い物に困ることはありません。
滑走路1本あたりの離着陸回数が日本一の「福岡空港」(2019年3月4日追加)
福岡空港は中心市街地に近く、交通アクセスに優れた空港です。また国内線だけでなく、アジア各国からの国際線も充実しており、九州の玄関・アジアへの窓口としての役割を果たしています。福岡空港の特徴は滑走路が1本しかなく、滑走路1本あたりの離着陸回数が国内で最も多いことです。ちなみに羽田空港は滑走路が3本、成田空港は2本それぞれあります。そのため、滑走路1本の空港としては唯一の航空法に基づく混雑空港に指定されており、混雑解消のために第2滑走路を増設工事中で、2024年に完成予定です。
エンターテインメント空港「新千歳空港」(2019年3月4日追加)
北海道の玄関口である新千歳空港のターミナルにはショッピング・グルメ・エンターテインメント・リラクゼーションなど様々な施設が揃っています。北海道ならではのお土産店や飲食店が充実しているのはもちろん、「ドラえもん」をテーマにしたアトラクション施設『ドラえもんわくわくスカイパーク』や世界初の空港併設型映画館『ソラシネマちとせ』、国内の空港では初の天然温泉を活用した『新千歳空港温泉』など。既存の空港の常識を覆すような、魅力に満ちた面白い空港です。
沖縄の玄関口「那覇空港」(2019年8月27日追加)
もともとは旧海軍の軍用飛行場で、敗戦後アメリカ軍に管理されていましたが、1972年の沖縄返還に伴い、日本の施設として返還されました。現在は民間機と自衛隊機が共用で使用しています。那覇市の中心地からモノレールやバス、タクシーなどで10分程度と交通アクセスに優れた立地にあり、沖縄観光の好調さから国内、海外路線とも順調に増加。滑走路1本あたりの離着陸回数は福岡空港に次いで2番目に多い空港です。需要予測では、今後10年以内に旅客増加に対応できなくなると予想されているほど。国際線・国内線をつなぐ「連結ターミナル」を2019年3月に開業。那覇空港第二滑走路を2020年供給予定で、国内外からの利用者受け入れに向けて対応しています。
国内線のみの「大阪国際空港(伊丹)」(2019年8月27日追加)
「関西空港」・「神戸空港」とともに、『関西三空港』の1つである「大阪国際空港(伊丹)」。「大阪空港」や「伊丹空港」の愛称で親しまれています。かつては国際線が多数就航する国際空港でしたが、空港周辺に住宅街があり、騒音などの公害問題で住民訴訟が相次いだため、現在は国内線のみの基幹空港として運用されています。環境対策として、運用時間は7時から21時に制限され、空港周辺には緩衝緑地が設置されています。他空港と比較して運用時間の制約が厳しいこともあり、「定刻通りに出発できる効率的な空港」第1位に選ばれ、2015年には英国の調査会社による空港の定時運航率ランキングで、小規模空港の世界一(定時運航率93.85%)に選ばれました。
充実した施設「中部国際空港」(2021年5月28日追加)
中部国際空港(愛称:セントレア)は愛知県常滑市にある24時間運用可能な国際空港。中部国際空港が開港するまでは、県営名古屋空港が中部エリアの拠点空港として使用されていました。21世紀初頭には空港容量が限界に達すると予測されましたが、市街地に位置していたため、立地の問題や騒音問題などから空港容量の拡張に制限がかけられていました。そこで、新たに24時間利用可能な国際拠点空港として、常滑市沖の伊勢湾海上の人工島にある国際空港として、2005年に開催された日本国際博覧会(愛・地球博)に合わせて開港されました。中部国際空港は、県営名古屋空港と比べ、全国各地の空港への路線が充実。郊外に位置するためアクセスが悪いというネガティブなイメージがありますが、名古屋の中心部からは名古屋鉄道を利用して約30分と比較的スムーズにアクセスできます。
他の空港と比べ、中部国際空港の魅力は、空港内の施設の多さ。空港機の発着の様子が見えるスカイデッキ、飛行機を眺めながら入浴できる温泉施設、ご当地グルメが堪能できる飲食店などの豊富な施設や、空港内をセグウェイで巡るガイドツアーなどが開催されていることも。旅行者だけでなく、地元の人々からも親しまれている空港です。
日本の変わった空港名(2022年6月30日追加)
対馬やまねこ空港名前の由来は、対馬にだけ生息する野生のネコ科哺乳類、ツシマヤマネコ。1971年に国の天然記念物、1994年に国内希少野生動植物種に指定された希少な動物です。空港の売店ではツシマヤマネコ関連のお土産が販売されています。
徳島阿波おどり空港名前の由来は、全国的に有名な阿波おどり。滑走路を海側に延長し平成22年に新ターミナルの完成を機に、徳島空港から愛称を変更しています。空港の入口には阿波踊り銅像が設置されています。
米子鬼太郎空港空港がある境港市出身地(出生は大阪市)の漫画家水木 しげるの代表作『ゲゲゲの鬼太郎』の主人公の名前が由来。到着口やロビーには鬼太郎のイラストや顔抜きパネル、空港内のいろんな場所に鬼太郎などのキャラクターが設置されています。空港が妖怪ワールドになっています。
鳥取砂丘コナン空港県内北栄町出身の漫画家青山剛昌の代表作『名探偵コナン』と全国的に有名な観光名所『鳥取砂丘』が名前の由来。空港内にはコナン君と蘭ちゃんのシンボルオブジェ、作品中に登場する「喫茶ポアロ」、巨大トリックアートなどがある他、謎解きラリーが実施されています。
出雲縁結び空港出雲市にある出雲大社は「縁結びの神様」としても有名。名前の由来はそこから来ています。「空港を利用するすべての方にいいご縁がありますように」との願いが込められているそうです。