騒音問題は大丈夫?
空港の最大の問題とも言えるのが騒音問題です。住宅地にある空港として大阪空港を、海上にある空港として関西空港を、郊外にある空港として新千歳空港を例として取り上げ、それぞれを比較しながら騒音の原因や対策について考えていきます。
住宅地にある空港は騒音問題が必至?
大阪空港、いわゆる伊丹空港は国内線のみを取り扱っている空港ですが、大阪の中心部からもアクセスしやすく、リムジンバスならば20分ほどで到着することができます。また、バスだけでなく大阪モノレールを利用しても行くことができます。主要都市からは乗り換えが必要になりますが、空港内に直接乗り入れるので移動時間を短縮することができます。
大阪空港のターミナルにはさまざまな飲食店やショップがありますが、その中でもおすすめなのが窓から飛行機を眺めることができるカフェです。飛行機本体や離発着の様子を窓越しに見ることができるため、飛行機好きの人や子どもに大変人気があります。
しかし、大阪空港は北側に山が広がっている地形のため、新大阪駅の上空を通過せねばならず騒音問題を切り離すことができません。一応騒音対策も施していますし、補償金も出ているためある程度は許容されていますが、問題となっているのは、南風が強くなる夏場です。南風は追い風となり、失速や滑走距離の問題が出てくるためいつもと違うルートで着陸をしなければなりません。そのため低空で空港周辺を飛び続けることになり、騒音について対策していない地域も通過することになるため騒音被害が拡大してしまうのです。
利便性が良く使いやすい大阪空港ですが、地形や気候の観点から騒音問題も大きく抱えている空港でもあります。
海上空港は騒音問題が起きにくい?
関西空港は人工島に作られた海上空港で、日本初の24時間化空港として1994年に開業しました。関西空港は他の空港と違った形状で建てられているため、空港でよく見かけるような飛行場の見学スポットはありません。その代わり、ターミナルビルが一望できるスカイビューと呼ばれるビルが建てられました。離発着する飛行機を見るために作られたビルなので、見学スペースは複数用意されています。その中でも特に人気があるのが最上階やスカイデッキです。飛行機の着陸や離陸のために移動する様子を近くで見ることができるので、飛行機好きの人や子どもには大変人気のあるスポットです。
また、人工島の上に作られている海上空港は陸地からある程度離れていることから騒音問題は起きにくいと言われています。実際に、関西空港の場合、24時間飛行機の離発着があるにも関わらず、騒音はそれほど大きな問題とはなっていません。
人工島にある海上空港ということで、交通アクセスとして便利なのは高速船です。神戸までおよそ30分。ちょっとしたクルーズ気分を味わいながら向かうことができるのでおすすめです。また1日16往復と便数が豊富なのも使いやすいポイントのひとつです。船に乗るまではバスで移動しなければなりませんが、船の目の前が停留所なので迷うことはありません。
郊外にあると飛行機の音が聞こえにくい?
新千歳空港は札幌から45キロほど南に行ったところにある空港です。北海道の玄関口としてはもちろん、北海道内のアクセスの拠点ともなっているため、便数や路線数が多いのが特徴です。また、道内で唯一のLCC発着空港でもあるため、最近は格安旅行の拠点にもなっています。
空港のターミナルも充実しており、レストランやカフェなどの飲食店やお土産物屋だけでなく、映画館や温泉、ドラえもんミュージアムといった娯楽施設も充実しているので待ち時間も快適に過ごすことができます。
気になる騒音問題も郊外という立地から住宅街から遠く離れていることもありさほど問題にはなっていません。
新千歳空港は交通アクセスも整っており、空港内に直接乗り入れるJRは一時間に4本ほど運行されており、およそ40分で札幌に到着します。また、バスについても札幌行きだけでなく定山渓や登別といった温泉地行きやニセコや富良野などスキーリゾート行きもあり、大変充実しています。